『ウィザードリィ外伝 五つの試練』シナリオエディタ講座【第1回】プロット作成&シナリオ登録

オープンベータのアクセスが解禁された、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam版シナリオエディタ。

しかし、現時点で公式のシナリオ制作マニュアル等が用意されていないため、ユーザーシナリオの創作に興味があっても何から手を着けていいのかすら判らず、シナリオエディタの利用を躊躇している方も多いのではないかと思う。

過去の自分のユーザーシナリオ制作経験を思い返してみても、『五つの試練』旧版のシナリオ作成ツールを用いて創作に取り組んでいた際、情報が少ない中でゼロからツールの仕様を検証し、試行錯誤を繰り返しながら自作シナリオを組み上げていった覚えがある。

もちろん、それはそれで楽しい時間ではあったのだが、その当時にユーザーシナリオ制作の様々なノウハウが広く共有されていれば、より早くより深くシナリオ制作の手順を理解し、効率的に創作のプロセスを進められたはずだ。

そこで今回、Steam版の新たなシナリオエディタサービスを利用してユーザーシナリオをゼロから一本制作し、その過程を公開してみようと思い立った。

シナリオプロットの作成

まず始めに取り掛かるべきは、創作するユーザーシナリオの全体的なプロットの作成である。

シナリオの「ストーリー」や「舞台設定」、さらには「迷宮の構成」や「モンスター」&「アイテム」の概案を決める――シナリオの根幹部分を構築する作業である。

シナリオ制作を進めてゆくにつれ次から次へとアイデアが膨らみ、当初の案をあれこれ修正することになるのは経験上明らかだが、最初に大まかな方向性を決めておくことは重要だ。

今回は、以下のようなプロットを考えてみた。

ストーリー

街外れの廃坑にゴブリンが棲み着いた。速やかに排除せよ。

――新米冒険者への依頼としてありがちなやつだ。

舞台設定

探索の舞台は辺境の小都市。その外れにある廃坑とする。

プレイヤーキャラクターは、この街に住む若者たち。
世に伝わる数多の冒険譚に憧れる、駆け出しの冒険者だ。

彼らは自警団の一員として、廃坑の探索に向かう。

迷宮構成

迷宮はひとつのみ。

「地下一階」から「地下三階」まで。
「20×20」の計3階層(=3マップ)で構成。

クリア推奨レベルは「13」とする。
マスターレベル到達でクリア可能なショートシナリオ。

モンスター

ゴブリン各種
廃坑に棲む動植物
アンデッド
廃坑内の自然物

――全部で20種前後もいれば十分だろうか。

アイテム

舞台設定の都合上、あまりにも強力なアイテムは必要ない。
伝説級の武具の存在は、逆にシナリオの雰囲気を壊してしまう。

店売りのありふれた武器&防具
一般的な薬品類
ゴブリンたちの武具&略奪品
廃坑内のモンスターに由来する品々

――等々

なお、シナリオタイトルは「始まりの冒険譚」(The Adventure Tale of Novices)とする。

シナリオデータの新規登録

では『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam版のシナリオエディタにアクセスし、シナリオの新規登録から始めよう。

シナリオエディタのトップページ「作品名」の一覧画面から「新規追加」ボタンをクリックし、シナリオデータの名称を入力するだけだ。

登録完了。

シナリオ配信サーバーへの登録

次に、新規作成したシナリオデータを、シナリオ配信サーバーに登録しておく。制作中のシナリオのテストプレイを可能にするためだ。

ここまでの登録作業により、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』ゲーム本体上でのテストプレイが可能な環境が整った。

次回は、シナリオの基本ルールを設定してゆく。

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam版シナリオエディタ非公式マニュアル