前回のラストで「カマキリ先生」による献身的な教育(大嘘)を受け、マスターレベルを一気に突破した全員聖職パーティー。
いよいよ最下層と思われる「地下九階」へと侵攻する時が来たのだ。
では、探索を開始する。
上の階層とは異なる石造りの迷宮。それがこの「地下九階」だ。雰囲気が一変したことで、いよいよ探索の終わりは近いのだ――という気になってくる。
少し歩いてみて、早くもこの「地下九階」の構造が理解できた。
一本道をひたすら前に進むだけの単純なフロアマップ――
だが、それは同時に敵モンスターとの果てしない連戦を余儀なくされるという意味でもある。
5人の僧侶たちの呪文が戦闘における生命線であるこのパーティーにとって、MP(マジックポイント)の枯渇は死を意味する。
「ブレイクスクリーン」の呪文で敵モンスターの呪文抵抗率を下げつつ、集団攻撃呪文「ワードオブカース」や「メテオスウォーム」を放つことが、現段階のメイン戦術となる。
だが、それだけでは最後までマジックポイントが持たない――それは火を見るよりも明らかだ。
呪文詠唱を可能な限り節約しつつ最奥部まで到達できるか否か――の勝負である。
あと一歩での撤退と再挑戦の末に――
終に辿り着いた「ネル坑道」最奥部。
さあ。決戦の時だ。
後衛のアリたちは「地下七階」の戦闘において既に倒している。現在の戦力ならば、もはや何の苦もなく簡単に一掃できる雑魚敵に過ぎない。
問題は「龍蛇の王」ならびに「老母蟲」のラスボス(?)コンビだ。
恐らく「王」はブレスを吐いてくるような気がするが、「マジックスクリーン」の呪文を司教一人しか詠唱できない以上、耐ブレスの魔法障壁の効果はあまり期待できない。
「ブレイクスクリーン」で呪文抵抗を削り、攻撃呪文でダメージを与え、「王」のHP(ヒットポイント)を迅速に削ってゆく戦術が最善か。
「龍蛇の王」のクリティカル攻撃で前衛僧侶が首を飛ばされるが――
最後は召喚しておいた「ハリコン先輩」が「王」に致命の一撃を喰らわした。
先輩。マジ最強っス。
なお「英雄ゼルク」の行方は知れず。彼の所持品だけが残されていた。
さて、城へと帰還し今回の探索の結末をご報告。
そして、新たなる密命が下された。
「英雄ゼルク」の救出に向け、次なる迷宮の探索が始まる。