逃亡者ハルシュタインから宝珠を奪還し、4つ目の称号を獲得した全員盗賊パーティー。だが、物語はまだ終わらない。
「テッドの迷宮」における当初の目的(=宝珠の回収)は無事に達成したが、同ダンジョンには未踏破の階層が残っている。改めて装備を調え、次なる階層「地下20階」の攻略へと挑むのだ。
第4の称号を得たことにより、立ち入り制限の課されていた「テッドの迷宮」へも自由に出入りできるようになった。まずは撤退用として、商店で「ルビーのスリッパ」を購入しておく。
では、探索を開始する。
「転移の巻物」は複数所持しているが、攻略目標である「地下20階」へと直接乗り込む……ことは現時点では無理だ。
まずは踏破済みの「地下19階」の座標「X:14/Y:09」へとテレポートする。
「特別な証」であるところの「第4称号」を獲得している全員盗賊パーティーならば、この扉を通過することが可能となっているはずだ。
扉の奥の床に開いたシュートから落下した先は、今回の攻略対象となる「地下20階」……この「テッドの迷宮」の最深階層である。
「ここから地獄の一丁目」との警告が掲げられている。これまで以上の激闘の予感が……
凶悪な敵モンスター群との戦闘を繰り返す中で、突如として「小マップ」が表示されるようになった。
壁スイッチの類いは一切操作していない。
ということは……宝箱から入手したアイテムの魔法効果によるものだと考えるのが理に適っている。パーティー内に司教がいないため残念ながらこの場で「鑑定」することはできないが、次に城塞都市へと帰還した際に、その正体を知るのが楽しみだ。
この「地下20階」に出現する敵は相当強い。
だが、こちらの戦力も負けずと充実してきている。いつの間にか、大悪魔こと「グレーターデーモン」が率いる敵集団にも勝利できる水準まで到達している。
さて、フロアの中央付近を探索中、炎の床に何かの「楔」が刺さっているのを発見した。
「楔を抜く」と心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ!
いきなり問答無用で「楔」を引き抜く盗賊たち。勢いのまま……って、いくら何でも躊躇がなさすぎるだろう。
安堵して良いものだろうか……じゃねーよ。
何だろうこの触れてはならぬ禁忌に手を出してしまった感は。状況を正しく把握できていないが、ここまでの探索で回復系の呪文をほぼ使い切ってしまっている。とにかく、一旦は帰還すべき頃合いだと判断する。
「地下20階で」苛烈な戦闘を生き延びてきた分、獲得できた経験値も多い。パーティーメンバー全員が「レベル20」へと到達した。この「テッドの迷宮」へ侵入する以前の段階までレベルを回復したことになる。
そして、お待ちかねのドロップアイテム鑑定の時間だ。
探索中から気になっていた突然の「小マップ表示」解禁だが、入手した「杖-1」に、魔法効果「マップ表示」が付与されていた。
合わせて「自動発動:明かり」も付いている。装備品として用いるには役立たずだが、迷宮探索の便利グッズとして持ち歩くなら非常に優秀な逸品である。
また、核撃呪文「ニュークリアブラスト」の封じ込められた「ロングボウ-1」も入手。以前に拾った弓(ロングボウ+2)もそうだが、核撃呪文は長弓に付与される法則でもあるのだろうか。
さて、全員のレベルアップとアイテム鑑定を終え、「キュアオール」詠唱によるHP回復のため迷宮内に入ろうとしたところ……
「地獄の門」……だと!?
迷宮一覧に、新たな探索先が追加されている。急ぎ「トランプル城」へと戻り、城門前の看板を確認する。
「何者かが、地獄の門を開いたようだ!」
……って、明らかに例の「楔」を引き抜いたせいだろう。
国家レベルの責任問題に発展する前に、先回りして迅速に対応する必要がありそうだ。だが、当該の迷宮の推奨レベルは「36~9999」となっている。現在「レベル20」の盗賊集団が乗り込んだとしても、力不足で一蹴される公算が大だ。
まずは、現在攻略中の「地下20階」の探索を終えてから挑む方がよさそうだが……
一通り「地下20階」の探索を完了。踏破可能なマップはほぼ埋まったと思われるが、取り立てて新しい発見はなかった。
手持ちの「転移の巻物」は全て使い切ってしまったため、今後も「地下20階」の探索を継続するためには「地下16階」から徒歩で辿り着く必要がある。それはなかなか大変である。
一方、この辺で「テッドの迷宮」の攻略を終了し、新たに開放された「地獄の門」へと挑むという選択肢もあるのだが、当該の迷宮の推奨レベルとは未だに差がある状況だ。
思案の末、既に踏破済みの「リュードの迷宮」の「地下10階」にて、レベル上げ&アイテム収集を目的とした探索を実施することに決めた。
獲得できる経験値の総量、ならびにドロップアイテムの質に関しても「テッドの迷宮」の「地下20階」に匹敵する稼ぎ場となり得る。そして何よりも重要視すべき点は、地上からのアクセスが容易であるという事実だ。
「地下1階」から転移装置ひとつを経由して「地下10階」へと侵入することができる。後は全力で戦闘に臨み、MPが枯渇して呪文の詠唱ができなくなるか、もしくはパーティー6人の所持品欄が全て埋まるタイミングで「ルビーのスリッパ」を使用し帰還する。その繰り返しだ。
では当面の間、レベリング&トレハンに没頭しよう。
「リュードの迷宮」の「地下10階」で経験値&アイテム稼ぎを継続していると、突如として出現する敵モンスターのランクが上がった。
これは……
宝箱から入手した「魔除け」に、魔法効果「強敵と遭遇」が付与されていた。魔を除けるどころか、より強大な魔物を引き寄せるアイテムである。
遭遇する敵が強くなり戦闘は厳しさを増すことになる……が、逆に考えれば、入手経験値が増加してドロップアイテムも一段と高性能な品々が期待できるということでもある。ここは前向きに解釈しておこう。
さて、「魔除け」の効果によって呼び寄せられた強敵たちとの連戦も貢献し、パーティーメンバー6人全員が「レベル36」まで到達した。
新たなダンジョン「地獄の門」の推奨レベルに何とか手が届いた。
それでは、いよいよ凶悪な魔物たちの住処へと乗り込むことにしよう。