数々の試練を乗り越え、「リュードの迷宮」の「地下10階」へと到達した全員盗賊パーティー。熾烈な戦闘の連続が予想されるが、果たして無事に攻略を完遂することはできるのか。
では、探索を開始する。
左右の通路はいずれも鉄格子で閉ざされている。ここは堂々と正面突破するしかないようだ。では、深呼吸をして扉を開こう。
「地下10階」おける緒戦は「ジャイアントゾンビ」御一行様である。先々の連戦に備えて呪文や巻物を温存するという考えでは、開幕ターンで一気に全滅まで追い込まれる可能性も否定できない。最初から全力で立ち向かうことにする。
人間盗賊が直接攻撃で三桁の与ダメージを記録。これまでの探索によるレベルアップ&トレハンの結果、思っていた以上に強くなっていることを実感。
この「地下10階」については迷宮の構造が至って単純。だが、出現する敵は事前に予想していた通り、凶悪な面々が揃っている。
後続に「ウィルオーウィスプ」と「フェアリー」を引き連れた「ポイゾンジャイアント」が出現。「窒息の巻物」(=サフォケーション)は3つしか所持していないが、使用を躊躇している場合ではなさそうだ。
探索行動それ自体は問題なく進む。繰り返すがこの「地下10階」の構造はシンプルであり迷うことはない。各玄室に設置された「スイッチ」を押すことにより、徐々に探索範囲が開放されてゆく仕組みだ。
とは言え、攻略が易しいわけではない。
改めて言及するまでもなく、個々の戦闘の厳しさのせいである。あらゆる状況で最善手が要求される過酷な戦いが続く。すべての敵に対して最大戦力の投入を要求されるのだ。一手の判断の誤りでパーティーが壊滅しかねない。まさに『戦闘の監獄』の看板に偽りなしである。
その一方で、敵が強い分だけ得られる経験値も多い。もともと他職と比べてレベルアップに必要な経験値が少ない盗賊たちは、順調にレベルアップを重ねてゆく。
しかし、それでも特定の敵パーティーはこちらの戦力を明らかに凌駕しており、全滅寸前まで追い詰められることも度々ある。
ギリギリで命を繋ぐ綱渡りの戦闘が続く中で、戦闘後の宝箱から最高峰のアイテムを入手。
魔法効果「2倍ダメージ:全て」の付与された「ショートソード+3」である。盗賊が装備可能な武器としては、現時点でこれ以上望めないほどの逸品である。「性格限定装備:善」の効果により、悪の盗賊は呪われてしまったが、攻撃命中率が低下するデメリットを甘受してでも装備すべき価値はある。
なお装備品が充実してきたとは言え、正面から戦ってはいけない奴らも確実に存在する。全滅の憂き目に遭う前に、逃げの一手である。
さて、何とか「地下10階」のマップも埋まった。残されたのは中央の玄室のみ。
覚悟はいいか? オレはできてる。
この「リュードの迷宮」のラスボスと思われる「ブラスドラゴン」と遭遇。
ブレス攻撃の直撃を喰らうと全滅するであろうことは、容易に想像できる。まずは数少ない「障壁の巻物」でブレス対策のマジックスクリーンを張る。さらに「リッチのローブ」の「プリズミックミサイル」および呪文「プリズミックレイ」詠唱により、お喋りな巨竜の行動を阻害する戦術で攻略する。
ついに、死闘の火蓋は切られた。
最初のターンの攻防では「ブラスドラゴン」のブレス攻撃は無し。敵のACも極端に低いわけではないようで、こちらの物理攻撃は問題なくヒットしている。巻物頼りの「マジックスクリーン」展開に使用回数の限りがある以上、敵ブレス攻撃への最善の対処法は、とにかく相手のHPを削ることしかない。物理打撃&攻撃呪文の連発だ。
ようやく一匹倒したが、まだまだ安心できる状況ではない。ブレスを喰らってしまう可能性に備え、念のためヒーラー役に指名した「ホブ盗賊B」に「ヒールパーティー」の薬瓶を使用させる。残りは物理攻撃に専念。全力で斬り掛かり、狙い撃つ。
ここでついに「ブラスドラゴン」の一匹がブレスを吐いてきた。麻痺属性のブレス攻撃である。しかし、その威力は一桁の被ダメージで済む程度。これは即ち、敵のHPが僅かしか残っていないという朗報に他ならない。巨竜は既に瀕死の状態だ。「麻痺」の追加効果を喰らったのが2人だけで済んだことも幸いである。
勝った。
大口を叩いていた割には簡単に倒れてくれた「ブラスドラゴン」の死骸を乗り越え進んだ部屋の奥で、白骨の山を見つけた。
骨の山の中から入手した謎の指輪は「ハルシュタインの指輪」であった。さっそくトランプル城へと登城し、「リュードの迷宮」探索の顛末を報告する。
これにて「リュードの迷宮」の攻略完了!
……そして、新たな迷宮が開放され、探索可能になった。
え……? 蘇生され帰還したハルシュタインが逃亡した……だと!? 「宝珠」の窃盗犯として指名手配されている。彼に一体何があったのだろうか。
その謎を解き明かすべく、新たなる迷宮へと挑む。