【強敵連戦】「監獄都市の住人」ウィザードリィ外伝 五つの試練リプレイ 第4回【破産寸前】

地下監獄で恩赦を懸けた探索行を継続する全員盗賊パーティーも、ついに全員「レベル12」となるまでに成長。

マスターレベル一歩手前であるが、武具使用のプロでも呪文詠唱のエキスパートでも無い支援職の限界ゆえ、その戦闘力は未だに心許ない。

そこで、現時点の戦力をより正確に把握するため、これまで一貫して未鑑定状態で使用してきた装備品を商店で鑑定し、改めて性能を検証することにする。敵を知り己を知れば何とやらだ。店に支払う鑑定料金は決して安くない。……が、この先の探索を進めてゆく上で、現状認識は避けて通れないと判断した。

各人が装備している武器は、二種類。「毒攻撃:全て」の追加効果を持つ「汚れたナイフ」、ならびに「麻痺攻撃:全て」の「暗殺者のナイフ」である。

ちなみに、「暗殺者のナイフ」には「攻撃対象外:盗賊系」の特殊効果も付与されている。これにより、敵盗賊による物理攻撃の対象から一定の割合で逃れることができるはずだ。

また同様に、頭防具(?)の「看守のヅラ」には、戦士系の敵からの攻撃頻度を減少させる効果が期待できる。両者ともに、戦闘における被ダメージ機会を減らすという実用性の観点から、非常に重要な装備であることに異論の余地は無い。

なお、消耗品アイテムとして、回復呪文「キュアオール」の効果がある「?瓶」が5つ、さらには炎熱系の集団攻撃呪文「メガファイア」を使用可能な「?危険物」の在庫を大量に確保してある。誤って引火でもすれば、アイテムボックスが焼失すること間違い無しの分量だ。

現時点で探索可能な範囲においては、恐らくこれ以上、装備品の質的な充実は期待できない可能性が高い。それは即ち、現在の戦力で先へと進む決断をしなければならないということだ。覚悟を決めて上層階へと引き返し、「B級監獄」及び「A級監獄」の未踏破エリアを攻略することにしよう。

では、探索を開始する。

まず最初に、「A級監獄」の未踏破エリアへと侵攻する。その先で遭遇したのは、見た目からして物理攻撃の威力が凄そうな大男だ。

この探索行における、最初のボス戦である。初手で様子見すると、そのまま一気に劣勢に陥る可能性も否定できない。前衛は通常攻撃を選択し、後衛3人はこれまで温存してきた虎の子の「?危険物」を惜しげも無く投擲する。

メガファイアによる呪文攻撃ダメージへの返礼として、強烈な一撃が振り下ろされる。一方、こちらの物理攻撃では、掠り傷程度のダメージしか与えられない。……が、「汚れたナイフ」の刃に塗られた毒は、確実にその効力を発揮している。

回復呪文「ヒール」の効果を持つ薬草で負傷者を回復しつつ、手の空いた者は引き続きメガファイアの連打。このまま敵の高威力打撃を凌ぎ切れば、先刻の毒が徐々に相手のHPを削り取ってくれるはずだ。

最後にメガファイアの一撃が決まり、一人の犠牲者も出すこと無く勝利。事前に大量購入しておいた薬草で前衛の傷を癒やし、次は「調理場」の攻略へと向かう。

では、本日のディナーの調理補助の役回りを買って出るとしよう。メインディッシュは鶏の丸焼きで決まりだ。ボナペティ。

蛇ニワトリの吐いたブレスで一人が石化したが、結果として死者を出すこと無く戦闘に勝利。

次は盗賊団との一戦だ。

後続の盗賊連中が現時点で既に脅威足り得ないことは、これまでの探索の過程で判明している。問題は、彼らのボスの実力がどの程度かという点だが……。

斬撃で受けるダメージそのものは致命的なレベルでは無い。……が、首を刎ねてくる点が厄介だ。一撃死があり得るならば、中途半端な回復よりも攻撃の手数を増やすことに全集中すべきだろう。

敵の首領さえ倒してしまえば、残党の掃討は朝飯前だ。とは言え、今回の戦闘でこちらが被った被害も甚大だ。結果として2人が首を刎ねられ、死体収容所へと送られる羽目に。

そして蘇生費用の支払いにより、手持ちの現金残高が危機的な状況に陥った。

これは暫くの間、金策に奔走する必要がありそうだ。

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