「レベル8」まで成長し、物理攻撃の回数を「2回」へと上昇させた全員盗賊パーティー。まずはその実力を検証するため、「A級監獄」における試し切りへと向かうことにする。
では、探索を開始する。
勝てる。余裕で勝てる。
武器による2回攻撃は、毎回必ず発生するわけではない。……が、敵側に与える平均ダメージは確実に増えている。また、「A級監獄」および「B級監獄」の回遊トレハンで防具が充実し、全員のACの値を「0」付近まで下げることができた。このAC低下の恩恵により、高確率で敵の物理打撃を回避するように。良き流れだ。
さらなる装備品の収集を繰り返した結果、ついに全員のACが「-1」となるまで防具が集まり、同時にレベルが「9」まで上昇した。
そこで、いよいよ次なる階層へと探索の歩を進める。昇降機を下ったその先の扉には、何やら物騒な「業務連絡」が記されている。この地下監獄において、囚人の命は、軽い。
さて、未知の領域での初戦は……看守だ!
だめだ……強い。
逃走し、一旦態勢を整える。戦う相手を選ばないと死ぬなコレは。取り急ぎ薬草の大量摂取で回復し、再度チャレンジ。
今度は勝利。遭遇する敵の種類によっては、互角の戦いができる可能性はありそうだ。状況次第では即時撤退も視野に入れつつ、さらなる戦闘を試すことにする。
敵の物理打撃の威力がキツい点に関しては、早めの薬草回復で何とか凌ぐことができる。だが、この「懲罰房」における敵の攻撃で恐らく一番厄介なのがこのパターンだ。
麻痺攻撃を喰らうのは非常に痛い。
繰り返すが、パーティーメンバー全員が盗賊であるため、呪文は一切唱えることができない。したがって、僧侶呪文の「キュアパラリシス」で麻痺治療というわけにはいかないのだ。しかも、商店在庫に同等の効果を発揮する品は並んでいない。
毒麻痺石化を治療しHPを全回復させる「キュアオール」の効果を持つ「万能薬」が存在するが、商店在庫はひとつのみ。さらに売り値は「10000GP」だ。パーティーの現時点の全財産を集めても買える金額では無い。
必然的に、麻痺治療は地上まで帰還した上で行うことになる。
戦闘中、もしくは戦闘直後の麻痺治療が行えないため、一時的に戦闘へ参加する人数が減ることになる。唯でさえ打撃力不足の感がある盗賊パーティーにとって、たった一人の離脱でも深刻な影響を及ぼすのだ。麻痺耐性を持つ装備品を発見するまでは、この苦難が続くのだろう。
その後、何度か死人を出しながらも幾度もの戦闘を生き延び、全員のレベルが「10」へと到達した。
しかし、目下の重点探索対象エリアである「懲罰房」における戦闘に関しては、未だ安定して勝利できる状況にはなっていない。現状を打開する何らかの装備品でも手に入れることができれば、目の前の暗雲は晴れるのかもしれないが……果たしてどうなるか。
しばらくの間は辛抱のトレハンが続きそうである。