先日、Steam版「ウィザードリィ外伝 五つの試練」の自作ユーザーシナリオ第一弾「監獄都市の住人」を公開した。
旧版では2007年から公開していたシナリオだが、「五つの試練」Steam版発売に合わせ、いろいろと手を加えてリメイクしてある。
今回、シナリオ紹介の一助になればと思い、自作シナリオのリプレイ記事を書いてみることにした。
とは言え、15年前のシナリオ作成当初から数限りなくテストプレイを繰り返してきており、今更通常通りに攻略しても面白くない。そこで、使用可能な職業は「盗賊のみ」という縛りプレイで挑戦してみることにする。
まずは、酒場に待機しているデフォルトの6名のキャラクターを問答無用で引退(削除)させ、新たに6名の盗賊パーティーを編成する。なお、通常プレイよりも難易度が遙かに高いことが容易に想像できるため、初期の能力値には拘りたいところだ。全員のボーナスポイント二桁はノルマである。
宝箱の罠識別要員として「罠調査成功率:95%」のホブ盗賊が3名、残りはバランス重視で人間とエルフとノームが1名ずつという陣容だ。初期の「生命力」として各「15~18」を割り振り、HPの初期値「9」の確保ならびにレベルアップ後の高増加率に期待する。
ちなみにドワーフは「素早さ」と「運の強さ」の初期値が低すぎ、「生命力」に割り振るBPが枯渇するために排除した。
パーティーも組み終わり、いよいよシナリオを開始する。当シナリオの目的はひとつ。地下監獄で進行中の反乱計画の全貌を暴き、監獄都市から解放されるための「恩赦」を受けることである。
「世界を救う」だの「魔王を倒す」といった崇高かつ壮大な目的は存在しない。悪事働いて懲役喰らったけど釈放されるチャンスじゃね?という非常に私的、かつ身も蓋もない話である。いや冤罪で投獄されたのかもしれないが。
では、探索を始めよう。
最初に見つけた扉を蹴破り、初戦闘に突入する。スペルユーザーが存在しないため、戦闘時に取れる行動として「戦う」「隠れる」の二択が中心となる。
戦闘という荒事さえ生き延びれば、宝箱の罠識別に問題は無い。識別率「95%」が3人という万全の態勢だ。合議制でほぼ識別ミスは無いはずだ。
とりあえず、レベルが上がり最大HPが増えるまで、最初の部屋での戦闘をひたすらに繰り返す。遠出は厳禁である。
地道なハックアンドスラッシュを積み重ねた結果、一人の犠牲者も出すことなく「レベル3」へと到達。最大HPも20を超えた。そろそろ探索範囲を広げても良い頃だろう。
敵の強さも上がり、得られる経験値も増加し、宝箱からの入手アイテムも増えてきた。
ちなみに、全員盗賊パーティーなので当然、司教が居ない。したがって、不確定アイテムの鑑定はできない。もちろん、商店で識別するという手段はある……が、そんなことをしている金銭的余裕は無いのが実情だ。
「回復呪文を唱える者が存在しない」という厳しい現実を鑑みれば、金はHP回復の宿代、薬代、そして蘇生費用のために残しておかなければならない。切実である。
幸いなことに、未鑑定状態のアイテムでも、装備することは可能だ。
装備すれば武器のダメージ値やACの下がり具合は分かるため、一旦装備して取捨選択すればよい。装備品に求めるのはその「性能」であって「名前」では無いからだ。
もしくは、商店の識別価格から性能を推測するという手もあるだろう。原則的には、高額なアイテムほど性能が優れていると言えるはずだ。もちろん中には例外もあるのだが。
そして、使用すると「呪文効果」が解放される消耗品アイテムならば、戦闘中に使用を試みることで、その性能(呪文効果)を判別できる。
装備が順調に整えば、あとは目下探索中の「B級監獄」の敵に対して脅威を感じなくなるまで、ハクスラ&トレハンに没頭するまでだ。
「レベル5」まで到達すると、現フロアで得られる経験値では成長速度が物足りなくなってくる。いよいよ次のフロアに挑む時が来たのだ。だが、それはまた日を改めてということにしておこう。
リプレイ記事の様式美としては、最後にこれまでに踏破したフロアのマップ画像を公開して締めるのが良いのだろう……が、今回の場合それはできない。
殊更にマップを公開したくないという意図があるわけでは無い。マップ表示呪文の「ウィザードアイ」を唱えられる者が、全員盗賊パーティーには存在しないというだけの話である。